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健康ワンポイントアドバイス
最近の注目株、あなどれない脂肪肝
 食物中の脂肪は小腸で分解され、肝臓で中性脂肪と呼ばれる物質に変わることでエネルギー源となります。消費が少ないと蓄積され、全肝細胞の30%以上蓄積すると脂肪肝と呼ばれます。アルコールが脂肪肝を引き起こすことは周知の事実でしたが、食生活の欧米化に伴い肥満が増加していることを背景に、飲酒をしない人でも高頻度で脂肪肝が発生することが分かってきました。
 メタボリックシンドロームは、肝臓では非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)として現れ、肥満の分布と一致します。男性では30~40歳代をピークに60歳代まで40%前後、女性は年齢とともに上昇し閉経後に30%程度がこの状態になるとされています。脂肪沈着だけの単純性脂肪肝から脂肪沈着により炎症が生じ、アルコール摂取と関係なく脂肪性肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎:NASH)を発症します。その後は8~21年の期間で、5~8%が肝硬変に進行します。そして、肝硬変から年2%が肝臓がんに移行します。発がん率はアルコール性肝硬変と同じです。NAFLDの段階では自覚症状がなく肝機能検査(AST,ALT,γ-GT)も正常範囲のことが多く、気付かないうちに肝障害が進行する危険があります。
 最近の研究では20歳からの体重増加、特に10キログラム以上の場合は脂肪肝になる可能性が高いこと、果物の過剰摂取や22時以降の食物接種も肝臓に脂肪がたまりやすいことが分かっています。有効な薬物治療は少なく、食事と運動が治療の中心です。低カロリー食による体重減少が最も有効で、特に脂質制限が推奨されます。週3~4回、1日に30~60分間のウォーキングなどの有酸素運動を4~12週間継続することで脂肪肝を改善させることが明らかになっています。
2016年12月1日発行 第1820号