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ワンポイントアドバイス
梅毒の増加が続いています
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症で、性的な接触などによってうつる病気です。抗生剤による治療が確立されてから、患者数は大幅に低下していましたが、近年は次第に増加し、2017年では全国で5,770人の患者が報告されました。特に20~24歳の女性患者の報告がこの5年間で約25倍となっています。
急増している理由はいろいろ挙げられていますが、明確な背景ははっきりしていません。梅毒に感染すると約3週間後に感染した部位に初期硬結(小さなしこり)や硬性下疳(げかん)(潰瘍)ができることがあります。このしこりや潰瘍は痛みやかゆみがないことが多く、治療しなくても自然に治まります。また、感染後4~10週間で、手のひらや足の裏、体全体にバラ疹といわれる赤い発疹が出ることもあります。この発疹も、治療しなくても通常は数週間で消えます。さらに梅毒に感染したまま放置すると、体内のさまざまな臓器に病変が生じ、死に至ることもあります。
早期の梅毒の症状には現れたり消えたりし、見分けることが難しいものもあります。また、痛みなどもないため、知らないうちに感染を広げてしまう危険性が大きいと言えます。梅毒のまん延を防ぐため、性感染症に対する正しい知識と予防に努め、このような症状に気付いたら、できるだけ早く受診、治療をすることが大切です。
2019年4月1日発行 第1908号