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ワンポイントアドバイス
心身症って「こころ」の病気?それとも「からだ」の病気?
「心身症」という言葉を作っている漢字を見てみましょう。「心(こころ)」と「身体(からだ)」をあらわす両方の字が組み合わされています。では、心身症とは「心」の病気なのでしょうか、それとも「身体」の病気なのでしょうか。
心身症とは、「身体」の病気の中で、その経過に「心」の影響が深いものを言います。古くは、ぜん息や胃腸の病気などが拳げられていました。現在では、ある特定の「身体」の病気を示す病名というよりは、もう少し広く「経過に“心”の影響が強い“身体”の病気」という意味で使われています。その治療には、「身体」の病気への治療に加えて、「心」の問題を整理するための心理療法や薬が必要となることもあります。
心身症の本来の定義では、うつ病などの「心」の病気によって生じる「身体」の症状は心身症とは言わないことになっています。しかし、実際には「心」の病気と心身症を区別をすることは簡単ではありません。ですから「自分は“身体”の病気による心身症だ」と思い込んでいたのに、実はうつ病が隠れて いたということもあります。
最近の10年間は、日本では自殺が多い状態が続いています。そして、その自殺の原因の半分は、健康問題を苦にしたものなのです。
色々な検査をしても身体の症状を説明するような異常がない場合や、身体の病気にかかってすぐれない気分が続くときなどは、一人で悩まずに少しの勇気を持って心療内科や精神科、健康サポートセンターに相談してみてください。
2012年2月1日発行 第1638号